オタクじゃないほうのブログ

日記とか仕事のこととか

本当に好きなものの話ってできない

私が人生で最も好きな作家は今のところ中村文則小川洋子なんですが、好きすぎてその本について語ることができない。

 

かといってもう一つのブログの方で紹介してる本たちは大して好きじゃないとかそういうことは決してなく

小川洋子中村文則の本は私の人生に食い込みすぎていて、それらについて語ると私自身について語ることになってしまうから急に筆が止まる。

鑑賞物として愛でることができる、外部にあるものはたくさん人に語れるが、内部にあるものを語るのは難しい。

 

 

中村文則『何もかも憂鬱な夜に』で生きる目的を知り、小川洋子の『博士の愛した数式』『やさしい訴え』で生きる理由を知った

本当になぁ……『何もかも憂鬱な夜に』を読んでなかったら私の人生どうなってたんだろってくらい読んだとき衝撃を受けた。私の人生の目標はこの本によって定まったと言える。

私のこの意味不明なクソみたいな人生だって生きる理由があるんですよ。これ以上の救いがあるかよ。

 

そしてその定まった目標を支えてくれる(?)のが小川洋子だ……小川洋子の書く文章って本当になんであんなに美しいの?なんであれだけの静けさと残酷さを破綻なく調和させることができるんだ……?

小川洋子の静謐な、清潔な文章、そしてあのむごたらしい物語が本当に好きだ。世界の汚さと暴力性をすくい取ってこれでもかと見せつけてくるのに、何故かその物語はいつも驚くほど美しい。奇跡みたいなんですよね本当に。

 

小川洋子の小説って、「白い」んですよね……。スカーフが電車に絡まって窒息死しようが眼球取り出そうが好きな人間がレイプされようが恋人を滅多刺しにしようがいっつも「白」。血の色や内臓の色がたくさん描写されてるはずなのに、なぜか………。

 

小川洋子中村文則の本が世界に存在してくれているから生きていけてる。